2006/3/7
ここちい時間を刻む、湖畔の隠れ家。今中敏幸氏の遺作
安芸高田市八千代町土師黒瀬2032−18 10:00〜18:00頃
0826-52-4118 火・水


ブレンドコーヒー400円。カフェオレ400円。紅茶(アッサム・アールグレー)400円。
手作りケーキ300円。(ドリンクとセットで100円引き)
おすすめは、特製ハヤシライス600円。(ドリンクとセットで100円引き)
自家製梅ジュース450円。ホットチョコレート450円。
建築家今中敏幸氏の遺作。今中氏の作品の中では最大の大きさ。
土師ダムの湖畔に佇む。テラスからの景色はとても素晴らしい。
マスターの増田さんは、1階で陶芸教室を開かれ、店内や、ホールには、器のギャラリーも
先週訪れた、「休日の家」に引き続いて、今中氏が建てられたカフェ「花水木」へ行ってきました。この花水木は、今中さんの最後の作品になります。土師ダムのほとり。湖畔の美しさの中に、今中さんらしい、山小屋風の家が見えてくる。黒い木板の外壁、赤茶色のレンガのエントツ、三角屋根。広いテラスの白い手すりがとても引き立っている。石積みから続く階段を上がると、左は、陶芸のアトリエ、右はカフェになっている。ドアを開けて、入ると、正面に大きな白い格子の窓。その向こうがテラスと土師ダムの湖の光景が飛び込んでくる。「休日の家」「赤い屋根」と同様に、黒い木の風合いが渋い空間が広がる。天井は吹き抜けになっており、今中さんの建物の中では、かなり広々感がする・・・この店唯一のイートメニューの「ハヤシライス」をいただいた。ゴハンの上にのりがのっているのが特徴。とても煮込んでいたようで、濃厚美味しいハヤシライスソースだったです。ブレンドコーヒーは、浅炒りなのだろうか?あっさりとしたマイルドな味でした。店主さん手作りのシフォンケーキを添えて・・ここの器は、すべて店主の増田さんが焼かれたもの。店内にも、作品がいくつも飾られていた。とても味のある、素敵な器でした!


店内のテーブルには、小さなスケッチブックがいくつも置かれている。ここを訪れた人がおもいおもいに、お店へのメッセージとか絵をしたためられている。それを一冊一冊、ゆっくり目を通したのですが、どれも、素敵なメッセージばかり。子供の絵や、年配の方らしき、俳句まで。それらのメッセージに共通してるのが、湖のほとりからの美しき景色、今中さんの建てられたこの家、そして、ハヤシライス!どれもみな絶賛していたのです。ハヤシライスを目当てにここへ来られた人もおおい。また、サクラや、紅葉など、その時そのときの感想が書かれてて、あぁ、四季を通じていろんな表情があることがよーくわかります。

その後訪れたお女性の客さんと、店主さんが、今中さんのお話で盛り上がっていた。「休日の家」は、あれからどうされてるんだろう・・・とか、今中さんの奥さんはどうしてるんでしょうか?とか。今中さんの建築物が載っている雑誌を広げながら、語り合われてた。と、いうことで、店を立つ前に、店主さんといろいろお話を聞かせていただいた。先週、休日の家へ言ったのですよ奥さまもお元気でした!と告げると、店主さんも、今中さんとの思い出や、建物のこと話してくださった。

「おじいさんを好きっていう人と、嫌いっていう人は半々だったと思う。」それだけ、異彩で、時に人と衝突するけれど、妥協をゆるさなかったということなのでしょう。なんでも、いまでも、今中さんの建物を見学するため、各地から建築家がやってくるそうです。「おじいさんの建てた家は、おじいさんでしか建てられない」ほんとうに、店主さんは、惚れこんで、今中さんに依頼して建てられたのでしょう。今中さんの奥さまのことは、「あの人は本当に強い人!」とおっしゃっていた。僕もそう思う。今中さんが建てられた、他の建物もいくつか教えていただいた。なんでも、それらの建物・カフェの人たちと、強い仲間意識があるそうで、つながりが自然と出来て、いまに至るらしい。今中さんにほれ込んだ人は、どこかみな同じで、つながりあえる人たちなのでしょう。店主さんに教えていただいた場所へも、うかがわなくては!


また、いらっしゃってください・・・
そう、あったかい言葉をかけていただき、店を後にしました。





特製のハヤシライス。のりがかかってる


マスターの焼いた器とコーヒー。ケーキ


マスターの焼かれた器が並べられてる


今中建築を感じる。奥には蒔きストーブ


土師ダムの四季を眺めるテラス


訪れたたくさんの人が書き残すメッセージノート
野鳥を観察する双眼鏡


吹き抜けになっている


コーヒーややや浅炒り


今中さんの作品の中でもっとも大きい


白いテラスと窓枠が際立つ

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